治療の必要な歯並び
叢生(そうせい)乱ぐい歯・八重歯
歯が重なり合っている状態(ガチャガチャの歯並び)
歯ブラシが行き届かず、むし歯や歯周病になりやすくなります。
Before
After
患者主訴 |
右上の八重⻭、下の⻭並びを治したい。 |
診断名 |
叢生 |
年齢 |
14歳0月 |
装置 |
上顎 ホールディングアーチ
上下顎 マルチブラケット
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非抜⻭/抜⻭部位 |
上顎左右第1小臼⻭、下顎左右第2小臼⻭抜⻭ |
治療期間 |
2年6か月 |
治療費 |
約781,000円(税込み) |
リスクと副作用 |
う蝕や⻭肉炎のリスクが高まります。
⻭の移動に伴う痛みがある場合があります。
⻭の動き方には個人差があります。 ⻭根が少し短くなる場合があります。
保定装置の使用が不良だと後戻りする場合があります。
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上顎前突(じょうがくぜんとつ)出っ歯
上の前歯や歯列全体が前にでている状態。前歯を使うことができません。
また、歯を折ったり、唇を切ったりしやすくなります。見た目も良くありません。
Before
After
患者主訴 |
出っ⻭を治したい。 |
診断名 |
上顎前突 |
年齢 |
11歳9月 |
装置 |
上顎 ホールディングアーチ
上下顎 マルチブラケット
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非抜⻭/抜⻭部位 |
上顎左右第1小臼⻭抜⻭、下顎非抜⻭ |
治療期間 |
2年1か月 |
治療費 |
約770,000円(税込み) |
リスクと副作用 |
う蝕や⻭肉炎のリスクが高まります。
⻭の移動に伴う痛みがある場合があります。
⻭の動き方には個人差があります。
⻭根が少し短くなる場合があります。
顎関節症の既往に注意が必要です。
保定装置の使用が不良だと後戻りする場合があります。
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下顎前突(かがくぜんとつ)受け口・反対咬合
下の歯が上の歯より前に出ている状態。よく咬めないだけでなく、聞き取りにくい話し方になります。
顔の中央部が成長できず、しゃくれた感じの横顔になります。
Before
After
患者主訴 |
受け口を治したい。 |
診断名 |
下顎前突 |
年齢 |
12歳4月 |
装置 |
上下顎 マルチブラケット |
非抜⻭/抜⻭部位 |
非抜⻭ |
治療期間 |
1年6か月 |
治療費 |
約704,000円(税込み) |
リスクと副作用 |
う蝕や⻭肉炎のリスクが高まります。
⻭の移動に伴う痛みがある場合があります。
⻭の動き方には個人差があります。
成⻑により反対咬合が再発することがあります。
定装置の使用が不良だと後戻りする場合があります。
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開咬(かいこう)
奥歯は咬んでいても前歯やわきの歯がポッカリ開いている状態。
飲み込む時の下の使い方の異常や、口呼吸などが原因です。よく咬めないばかりか正しい発音もできません。
Before
After
患者主訴 |
前⻭で食物が咬み切れない。 |
診断名 |
開咬 |
年齢 |
10歳6月 |
装置 |
上顎 ホールディングアーチ
上下顎 マルチブラケット
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非抜⻭/抜⻭部位 |
上顎左右第1小臼⻭、下顎左右第1小臼⻭抜⻭ |
治療期間 |
2年2か月 |
治療費 |
約770,000円(税込み) |
リスクと副作用 |
う蝕や⻭肉炎のリスクが高まります。
⻭の移動に伴う痛みがある場合があります。
⻭の動き方には個人差があります。
舌突出癖が改善しないと後戻りのリスクが高くなります。
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交叉咬合(こうさこうごう)
箱のふたがずれているように、上下の咬み合わせが左右にずれている状態。
Before
After
患者主訴 |
顔が曲がっている。 |
診断名 |
交叉咬合 |
年齢 |
13歳1月 |
装置 |
上顎 緩速拡大装置
上下顎 マルチブラケット
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非抜⻭/抜⻭部位 |
上顎左右第1小臼⻭、下顎左右第1小臼⻭抜⻭ |
治療期間 |
2年5か月 |
治療費 |
約858,000円(税込み) *クリアブラケット使用 |
リスクと副作用 |
う蝕や⻭肉炎のリスクが高まります。
⻭の移動に伴う痛みがある場合があります。
⻭の動き方には個人差があります。
定装置の使用が不良だと後戻りする場合があります。
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埋伏歯(まいふくし)のある歯並び
自然に萌出できない歯を持っている状態。
放っておくと両側の歯が倒れこみ、歯並びがさらに乱れます。埋もれている歯が生えている歯の根の部分にあると、いま生えている歯もだめになってしまうこともあります。
Before
After
Before
After
患者主訴 |
出てこない⻭がある。 |
診断名 |
埋伏⻭ |
年齢 |
11歳8月 |
装置 |
上下顎 マルチブラケット |
非抜⻭/抜⻭部位 |
非抜⻭ |
治療期間 |
1年8か月 |
治療費 |
約737,000円(税込み) |
リスクと副作用 |
う蝕や⻭肉炎のリスクが高まります。
⻭の移動に伴う痛みがある場合があります。
ごくまれに⻭が骨と癒着していて⻭が動かないことがあります。
⻭の動き方には個人差があります。
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歯の喪失や先天欠如のある歯並び
交通事故などにより、歯を失ってしまった状態。
残った歯を利用して咬合の再構成をします。
Before
After
患者主訴 |
交通事故で前⻭を殴打、固定していたが保存できないので抜⻭すると言われた。糸切り⻭を寄せてブリッジ にしたい。 |
診断名 |
前⻭4本保存不可のため抜⻭、下顎右2番先天欠如 |
年齢 |
14歳5月 |
装置 |
上下顎 マルチブラケット |
非抜⻭/抜⻭部位 |
上顎左右中切⻭、側切⻭、下顎左第1小臼⻭抜⻭ |
治療期間 |
1年9か月 |
治療費 |
約841,500円(税込み)*クリアブラケット使用
*治療終了後、かかりつけ⻭科医にて前⻭に見立てたかぶせものをしました。
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リスクと副作用 |
う蝕や⻭肉炎のリスクが高まります。
⻭の移動に伴う痛みがある場合があります。
⻭の動き方には個人差があります。
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Before
After
患者主訴 |
友人とゴルフクラブで遊んでいて、前⻭を殴打された。 |
診断名 |
右上中切⻭喪失、左上中切⻭破折し骨に埋入 |
年齢 |
11歳5月 |
装置 |
上下顎 マルチブラケット |
非抜⻭/抜⻭部位 |
上顎左中切⻭、側切⻭、下顎左右第1小臼⻭抜⻭ |
治療期間 |
1年6か月 |
治療費 |
約737,000円(税込み) |
リスクと副作用 |
う蝕や⻭肉炎のリスクが高まります。
⻭の移動に伴う痛みがある場合があります。
⻭の動き方には個人差があります。
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保険診療となる矯正治療
自立支援医療(育成・更生医療)
厚生労働大臣が定める疾患(主に唇顎口蓋裂など)に起因した咬合異常の矯正治療は、自立支援医療の指定機関である当院において保険診療の対象となり、育成医療(18歳未満)・更生医療(18歳以上、障碍者手帳の交付が必要)が受けられます。
唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)
唇、上顎、口蓋が出生時に閉じなかった状態。
500人に1〜2人の割合で発生します。
Before
After
患者主訴 |
⻭並びを治したい。 |
診断名 |
右側唇顎口蓋裂 叢生 左上側切⻭先天欠如 |
年齢 |
29歳4月 |
装置 |
上下顎 マルチブラケット |
非抜⻭/抜⻭部位 |
非抜⻭ |
治療期間 |
2年4か月 |
治療費 |
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リスクと副作用 |
う蝕や⻭肉炎のリスクが高まります。
⻭の移動に伴う痛みがある場合があります。
⻭の動き方には個人差があります。
定装置の使用が不良だと後戻りする場合があります。
*右上の骨移植は本人が希望されなかったため、義⻭付きの保定装置を使用
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当クリニックでの保険適応の主な症例
唇顎口蓋裂(唇顎裂、唇裂、軟口蓋裂、硬口蓋裂)
ゴールデンハー症候群、
ピエール・ロバン症候群
ダウン症候群
エリス・ヴァンクレベルド症候群
顔面裂
色素失調症
6⻭以上の先天性部分無⻭症
成⻑ホルモン分泌不全性低身⻑症
前⻭部に3⻭以上の埋伏⻭がある
※詳しくは厚生労働省、日本矯正⻭科学会のホームページをご覧ください。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
(日本矯正歯科学会より)
①矯正歯科装置装着後に違和感、不快感、痛みなどが生じることがあります。
一般的には数日間 〜1、2週間で慣れてきます。
②歯の動き方には個人差があります。そのため予想された治療期間が延長する可能性が
あります。
③矯正歯科装置の使用状況、 顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療に
は患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
④治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨き
にくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。
したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらにかかりつけ 歯科医に定期的に受診することが大切です。
また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
⑤歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることが
あります。
⑥ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの顎関節症状が生じることが
あります。
⑩治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。
⑪歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
⑫矯正歯科装置を誤飲する可能性があります。
⑬矯正歯科装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物 (補綴物) の一部が破損する可能性があります。
⑭動的治療が終了し装置が外れた後に、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物
(補綴物)やむし歯の治療 (修復物)などをやりなおす必要性が生じる可能性があります。
⑮動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、 歯並びや
咬み合せの「後戻り」 が生じる可能性があります。
⑯あごの成長発育により咬み合せや歯並びが変化する可能性があります。
⑰治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合せに変化が生じる可能性があります。 また、加齢や歯周病などにより歯並びや咬み合せが変化することがあります。
⑱矯正歯科治療は一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。